「商品売買の発送費って、発送費として費用に計上するんでしょ?簡単じゃん!」
なんて考えていませんか?
下記の問題を読んで、下記のNG解答のような仕訳をしてしまった方は注意が必要です。
100円の商品を仕入れた。
発送費は10円で自社負担だった。
商品と発送費は現金で支払った。
<NG解答>
仕入100 /現金110
発送費10
発送費の仕訳は、簡単そうに見えて結構ややこしいです。
発送費の仕訳は、本質的な理解をしていないと暗記をしてもすぐに忘れてしまいます。
そこでこの記事では、発送費の仕訳の根本の部分を解説しますので、
「発送費ってややこしい・・・」
って感じた方は、ぜひ最後までご覧ください。
キノ
キノ
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〜この記事でわかること〜
発送費の仕訳を覚える3つの手順を紹介!
初めに、簿記3級のややこしい発送費の仕訳を3つの手順でご紹介します。
手順1:発送費4パターンを覚える
発送費の仕訳を覚える手順1は、発送費が関連してくる4つのパターンを覚えることです。
具体的には下記の4パターンです。
- 相手発送で自分負担のパターン(仕入)
- 相手発送で相手負担のパターン(仕入)
- 自分発送で自分負担のパターン(売上)
- 自分発送で相手負担のパターン(売上)
後の章で、上記の4パターンを1つずつ仕訳と共にご紹介していきます。
手順2:自社負担なのか相手負担なのか確認する
発送費の仕訳を覚える手順2は、発送費が自社負担なのか相手負担なのかを確認することです。
どちらが発送費を負担するのかが重要で、
- 自社負担:『発送費』の仕訳が必要
- 相手負担:発送費の仕訳は基本的に不要
相手負担の仕訳の際に、「基本的に」と記載したのは、
「発送費を、一旦自社で負担する仕訳」が出題される可能性があるからです。
ちなみに、相手負担の送料を一度自社負担する場合は、「立替金」という勘定科目を使用して仕訳をします。
ここでは立替金をご紹介しましたが、問題文によっては、掛け代金に含める場合もあるみたいです。
必ず問題文の指示に従って問題を解くようにしましょう!
手順3:発送費と仕入勘定どちらを使うのか判断する
発送費の仕訳を覚える手順3は、発送費を発送費勘定と仕入勘定どちらで計上するのかを確認することです。
「発送費の仕訳の話をしているのに、なぜ仕入勘定が出てくるの?」
って思われた方も多いと思います。
実は、発送費の仕訳では、発送費勘定を使わずに仕入勘定に含めて仕訳をするのが基本です。
理由は、商品が次期に繰り越す可能性があるからです。
↑ ↑ ↑
このような形にしたい!
発送費は商品を購入することによりかかった費用ですので、当期に仕入れた商品は当期の費用として計上する必要があります。
キノ
これは、企業会計原則というルールブックみたいなものにも記載されています。
「費用収益対応の原則」は、特定期間の利益を計算するのに、当期に発生した費用と収益を対応させて、次期以降の収益に関わる費用部分は次期に対応させるという原則です。(正式名称ではないみたいです)
本来なら、当期に発生した発送費は「発送費勘定」を使って仕訳をして、売れ残った商品には、「繰越発送費」みたいな方法でも良いのかもしれません。
しかし、繰越発送費にするよりも、発送費は仕入勘定に入れてしまった方が簡単です。
「仕入(発送費込)/現金」という仕訳にするという意味です。
このような仕訳をすれば、商品が売れ残っても、次期に発送費分の費用を繰越すことが可能です。
後の章でもう少し詳しく解説します。
キノ
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簿記3級の発送費の仕訳をパターン別で解説!
この章からは、前章までに解説した内容を踏まえて、実際の発送費の仕訳をパターン別でご紹介していきます。
キノ
- 相手発送で自分負担のパターン(仕入)
- 相手発送で相手負担のパターン(仕入)
- 自分発送で自分負担のパターン(売上)
- 自分発送で相手負担のパターン(売上)
発送費の理屈を覚えてしまえば、上記の表のパターンをいちいち暗記しなくても仕訳ができるようになりますよ!
簿記の勉強は、できるだけ暗記に頼らない勉強方法を実施すると効率的です。
もちろんある程度の暗記は必要ですが、「なぜこのような答えになるのか?」理屈的に考えるという時間も必要です。
キノ
簿記3級の発送費:相手発送で自分負担のパターン(仕入)
相手発送で送料は自分負担のパターン(仕入)についての仕訳をご紹介します。
先ほど紹介しましたが、仕入をした時の発送費はどのように処理するのでしょうか?
キノ
(借方)仕入3300 (貸方) 現金3300
このパターンは先ほど解説をした、発送費を仕入勘定に含める仕訳のパターンです。
仕入た商品が売れ残って次期に売れる可能性を考えて、あらかじめ発送費を仕入勘定に含めてしまうという仕訳です。
簿記3級の発送費:相手発送で相手負担のパターン(仕入)
相手発送で送料は相手負担のパターン(仕入)についての仕訳をご紹介します。
相手発送で相手負担の場合は、商品を仕入れた時の仕訳「仕入3000 現金3000」の仕訳をするだけなので簡単です。
しかし、相手負担の送料を自社で立替える場合は注意が必要です。
この、送料を一旦「自社で立替える」という記載のある簡単な問題を出してみますので解いてみてください。
商品代と送料を合わせて現金で支払った。
(借方)仕入3000 現金3300
(借方)立替金300
簿記3級の発送費:自分発送で自分負担のパターン(売上)
商品を売上げ、送料は自分負担のパターン(売上)についての仕訳をご紹介します。
売り上げた商品を発送する際の発送費は、発送費勘定を使用して仕訳をします。
理由は、当期に売り上げた商品に関しては、次期に影響しないからです。
キノ
下記に簡単な仕訳の問題を提示します。
(借方)売掛金5000 売上5000
(借方)発送費300 現金300
簿記3級の発送費:自分発送で相手負担のパターン(売上)
売り上げた商品の発送で送料は相手負担のパターン(売上)についての仕訳をご紹介します。
送料の負担が相手の場合は発送費の仕訳は考えなくて大丈夫です。
しかし、発送費をこちらで立て替える場合は注意が必要です。
(借方)現金5000 (貸方)売上5000
(借方)売掛金5000 (貸方)売上5000
(借方)立替金300 (貸方)現金300
簿記3級の発送費:まとめ
今回は、簿記3級で登場する発送費の仕訳について解説しました。
発送費は大きく4つのパターンで仕訳方が異なるややこしい論点なので、ここで一度まとめておきます。
- 相手発送で自分負担のパターン(仕入)
→繰越商品ができる可能性があるので仕訳勘定に発送費を含める - 相手発送で相手負担のパターン(仕入)
→立替金発生の可能性あり - 自分発送で自分負担のパターン(売上)
→普通に発送費勘定で仕訳をする - 自分発送で相手負担のパターン(売上)
→立替金発生の可能性あり
発送費の問題で一番難しいのは、発送費を仕入に含めて仕訳をする「仕入+発送費自社負担」の場合です。
「なぜ、このような仕訳をするのか?」
という理由を押さえておくことで覚えやすくなります。
試験で出題されても解けるように、今回の記事で覚えていただければと思います。
キノ
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