簿記3級で、多くの方が難しいと感じる論点が売上原価です。
売上原価の勉強をしたことがある方なら、1度や2度は「しーくりくりしーってなに?」「売上原価ってどういう意味?」っ思った方もいるのではないでしょうか?
キノ
そこでこの記事では、売上原価の基礎をわかりやすく解説していこうかと思います。
この記事をご覧いただければ、売上原価がどのようなものなのかを理解できるようになると思いますので、最後までご覧ください。
※この記事では、仕入勘定で売上原価を計算する方法の解説記事となります。
〜この記事でわかること〜
簿記3級で登場する『売上原価』とは?
「そもそも、売上原価ってなに?」という方のために、売上原価について解説をします。
売上原価とは、ある特定の期間(だいたい4月〜3月)における、企業が販売した商品の原価のことです。
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例えば、期首〜期末(4月〜3月)に「原価:1万円」の商品1つ販売して「売上高:2万円」だとします。
「期首・期末の在庫が0」だった場合、今期の売上原価は1万円ということになります。
【簿記3級】売上原価①概要をわかりやすく解説します!
売上原価の概要をもう少し踏み込んで解説します。
売上原価は、今期に販売をした商品の原価のことです。今期に販売したという部分がミソで、この部分が単純な仕入とは異なります。
どういうことかというと、商売を続けていると、前期に仕入れをして売れ残った商品が出てきます。前期の売れ残り商品は、通常今期で売れますよね。
また、今期で仕入れした商品が売れ残り、来期に持ち越す商品もあります。わかりやすく式を立てると下記のようになります。
「前期に売れ残った商品+今期に仕入をした商品ー今期に売れ残った商品=売上原価」これが売上原価です。
【簿記3級】売上原価②繰越商品とは?
前の章で、前期の売れ残りの商品と今期の売れ残りの商品のお話をしました。
この売れ残り商品のことを繰越商品と言います。この繰越商品は、前期からの売れ残り商品も、今期の売れ残りの商品も「繰越商品」と呼びます。
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繰越商品は資産の科目になります。理由は、次期に繰り越すためB/S科目にする必要があるからです。
なぜ、費用は次の期に繰り越せないのかは、「【初学者必見!】簿記3級の仕訳のコツを5つ紹介します!」の記事を見ていだだけると参考になるかもしれません!
この繰越商品という言葉はとても重要なので、覚えておいてくださいね。

【簿記3級】売上原価③仕訳『しーくりくりしー』とは?
この章では、売上原価の計算式について解説をします。先ほどまでの章で、「売上原価:今期に売り上げた商品の原価」「繰越商品:次期に繰越す商品」「仕入:今期に仕入れた商品」というところまで解説をしました。
仕訳の前に、もう一度、売上原価の計算式をご紹介します。
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繰越商品300 仕入300
上記のような仕訳になります。この仕訳を暗記しようとしてもすぐに忘れてしまいます。
そこで、この仕訳を覚えやすくするためのコツをご紹介します。それが、「しーくりくりしー」です。
しーくりくりしーは、決算整理仕訳を行うときに必要な仕訳となりますので、必ず覚えるようにしてください。
- しー:仕入
- くり:(期首)繰越商品
- くり:(期末)繰越商品
- しー:仕入
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- 今期の仕入8000円
- 期首の在庫1000円
- 当期末の在庫1200円
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【簿記3級】売上原価④イメージ図で解説します!
これまでの解説で、「いまいちピンとこない・・・」という方のために、イメージ図を使用して売上原価の計算方法をご紹介します。
- 前期から繰り越した商品:10,000円
- 今期の仕入:100,000円
- 来期に繰り越す商品:20,000円
まずは、仕入と繰越商品の状況を整理するために、ボックス図にしてみます。
数字に置き換えると、下記のように置き換えることができます。
このように、ボックス図にすると売上原価を算定することが可能です。
ちなみに、借方と貸方は合計が一致するというルールに基づき、売上原価を差額で計算します。
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『しーくり』で、前期繰越商品分、仕入勘定をプラスする。前期繰越商品は仕入勘定に含めたので、逆仕訳で0にする。
『くりしー』で、売れ残った商品の原価分、仕入勘定からマイナスして、次期に繰り越す商品原価を資産勘定にプラスする。
という仕訳を「しーくり、くりしー」でおこなっているという意味になります。
簿記3級の売上原価について:まとめ
この記事では、簿記3級で学習する売上原価について解説をしました。
売上原価の計算と仕訳は、簿記3級試験の大問3で超高確率で出題されるとても重要な論点です。慣れてしまえば簡単に解くことができるので、ぜひここで仕訳勘定で計算をする売上原価のやり方を覚えてしまいましょう。
売上原価勘定で売上原価を計算する方法もあるので、そちらはテキストなどを用いて学習してくださいね。
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