「簿記3級の勉強をしているけど、どうも仕訳が苦手だ・・・」このように感じている方も多いと思います。
仕訳は簿記の基礎中の基礎ですので、早期に日商簿記3級の試験に受かるには、いち早く仕訳のやり方を理解する必要があります。
キノ
そこでこの記事では、簿記3級の仕訳のコツを5つご紹介します。
初学者の方は、この記事で紹介する5つのコツを順番に勉強して行ってくださいね。
〜この記事でわかること〜
1.簿記3級の仕訳のコツ①ホームポジションを覚える
簿記3級の仕訳のコツ1つ目は、ホームポジションを完璧に覚えるということです。
ホームポジションを完璧に覚えないと仕訳ができないので、これから一緒に覚えてしまいましょう。
ホームポジションを覚えるには、次の3つの手順を試してみてください。
キノ
手順1:借方(かりかた)・貸方(かしかた)を覚える
ホームポジションを覚える手順の1番目は、借方・貸方を覚えることです。
簿記では、下の図のように右と左に分けて考えます。ちなみに、左が借方、右が貸方です。
キノ
「借方・貸方、借方・貸方、借方・貸方・・・」
という感じで、声に出して呟くだけで、「借方・貸方」の順番を覚えることができます。
借方・貸方のポジションは必ず覚えましょう!
簿記2級でも借方・貸方という言葉使いをする論点が登場するので、借方・貸方という言葉使いを覚えておくと便利ですよ。
手順2:資産・負債・純資産の位置を覚える
ホームポジションを覚える手順の2番目は、資産・負債・純資産のポジションを覚えることです。
資産・負債・純資産のホームポジションは下の図のようになります。
なぜこのような配置になるのかと言うと、簿記では「左と右」すなわち借方と貸方の合計がピッタリ一致します。『借方=貸方』になります。
資産・負債・純資産の関係は、『資産ー負債=純資産』となり、簿記では基本的にマイナスという概念がないため、方程式で形を整えると『資産=純資産+負債』となり、上の図のようなポジションになります。
手順3:費用・収益の位置を覚える
ホームポジションを覚える手順の3番目は、費用・収益のポジションを覚えることです。
費用と収益の概念そのものが、簿記3級初学者の方にはややこしく感じるポイントだと思います。
「費用=負債」「資産=収益」ってなるんじゃないの?
って勘違いされる方もいると思います。
しかし、「費用=負債」「資産=収益」の関係は間違いであり、正規のポジションは下の図のようになります。
キノ
実は、費用と資産は似ています。
借方グループというのは収益を生み出すために投資をした金額を表示するグループです。
収益を得るために費用(広告など)を出しますし、収益を得るために資産(機械装置など)を購入しますよね。
このように資産と費用は、収益を出すための投資という共通点で同じグループなのです。
負債・純資産・収益は、キャッシュを獲得するために発生する義務と考えるとわかりやすいです。
例えば、負債である借入金は、後ほどお金を返済する義務を負う代わりに、先に現金を手にいれる手段です。
純資産である資本金も、投資家に配当をする義務を負う代わりに現金を獲得できます。
収益は、商品などを販売して現金を獲得できます。(商品を引き渡す義務が生じる)
2. 簿記3級の仕訳のコツ②勘定科目を覚える
簿記3級の仕訳のコツ2つ目は、勘定科目を覚えるということです。勘定科目というのは、現金・当座預金・借入金・仕入・売上などのことです。
勘定科目は数が多く、全てを暗記するのは難しいです。
そこで、私が簿記3級の勉強をしていた時に使っていた勘定科目のホームポジションの覚え方をご紹介します。
覚え方はとてもシンプルで、下記の表を暗記するだけです。
- 資産:前払〇〇、仮払〇〇、未収〇〇
- 負債:前受〇〇、仮受〇〇、未払〇〇
- 収益:〇〇益、受取〇〇
- 費用:〇〇費、〇〇損、支払〇〇、〇〇税
上記の表が頭に入っていれば、勘定科目を見ただけで、勘定科目がどこに属するものなんかを判断することができます。
キノ
当社は、商品の広告宣伝費100円を現金で支払った。
使用する勘定科目:広告宣伝費、現金
答え:広告宣伝費100 現金100
上記の問題で、広告宣伝費を上で紹介した表と照らし合わせると、「あ、広告宣伝費は〇〇費だから費用だ!」のように判断することができます。
上記に当てはまらない「現金・当座預金・貸倒引当金」などの例外もあるので、簿記3級の勉強をしていく中で慣れていく必要があります。
キノ
何度も問題の中で勘定科目に触れれば徐々に覚えていきますが、最初はどのような勘定科目があるのかを頭に入れておく方が良いです。
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3. 簿記3級の仕訳のコツ③わかるところから埋める
簿記3級の仕訳のコツ3つ目は、わかるところから埋めていくということです。
例えば、下記のような仕訳の問題が出題されたとします。
このような問題が出た時に、「どこから手をつけたらいいんだろう?」って疑問に思いますよね。
その時は、わかるところから手をつけていきましょう。
[su_spoiler title=”クリックして解答を見る” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=””class””]答え:仕入1,000/現金1,000
1:1,000円の商品を現金で購入した→現金が減る→資産の現金が減ったのだから貸方に現金1,000円
2:貸方が決まったから、空いている借方に「商品の購入=仕入」なので、仕入1,000円を入れる
もう少し難しい問題を見てみましょう。例えば、こんな感じの問題です。
A社(自社)はB社に商品2,000円を売り上げた。代金はあらかじめ受け取っていた500円を差し引いた金額のうち、1000円は掛けとし、残りは現金で受け取った。
キノ
答え:
借方 貸方
売掛金1,000 売上2,000
前受金500
現金 500
1:2,000円の商品を売り上げたので、収益である売上を貸方に計上するので「売上2,000」
2:1,000円は掛けと書いてあるので、売掛金を計上する。売掛金は資産なので借方に「売掛金1,000」
3:残りのあらかじめ受け取っていた500円は、前受金という負債です。この負債を逆仕訳して借方に「前受金500」
4:差額の500円は現金で受け取っているので、借方に「現金500」
※前受金のポジションがわからなかった場合、先に差額を計算して「現金500」を計上します。すると下記のようになります。
売掛金1000 売上2000
現金 500
簿記では、貸借がピッタリ一致するのがルールなので、借方に500円の何かを計上しなければなりません。そこに「前受金500」を計上すれば良いということです。
ちなみに前受金は、この問題の取引より前の段階で「現金500 前受金500」という仕訳がしてあるということです。
実際の問題も、「前もって前受金の仕訳がしてあります」のような記載はないので、慣れないうちは前受金の仕訳「現金500 前受金500」を書いてみても良いかもしれません。
キノ
仕訳のコツは、わかるところから埋めていき、残りは貸借差額で埋めるようにすれば割とミスなく仕訳することが可能です。
4. 簿記3級の仕訳のコツ④基本の型を反復練習する
簿記3級の仕訳のコツ4つ目は、各論点の仕訳の型を反復練習することです。
簿記3級の試験では、大問1で仕訳の問題が15問出題され、点数で言えば45点です。
試験時間は60分、特に大問3は財務諸表の作成などの時間がかかる総合問題が出題されます。
また、大問2、大問3の問題も仕訳ができないと解くことができないので、仕訳は正確かつスピーディーに解けるようになる必要があります。
キノ
仕訳のスピードと正確性を上げるコツとしては、各論点の一番基礎的な仕訳でかまわないので、何度も反復練習を行い「仕訳の型」を覚えると良いです。
例えば、仕入れの仕訳なら「仕入〇〇 現金〇〇」、前払費用の仕訳なら「前払費用〇〇 現金〇〇」のように型を覚えましょう。
ちなみに前払費用は費用と書いてありますが、前払〇〇は資産と覚えましょう。
5. 簿記3級の仕訳のコツ⑤資産のマイナスを覚える
簿記3級の仕訳のコツ5つ目は、資産のマイナス項目を覚えることです。
簿記にはマイナスという要素がないと書きました。しかし、中には一部例外があり、簿記3級では『貸倒引当金・減価償却累計額』は資産のマイナス項目になります。
上記2つの仕訳は、資産のマイナス項目であると覚えておけば、「資産をマイナスする項目だから、負債ではないけどホームポジションは貸方」と覚えることができます。
簿記3級では、この2つの論点で登場するだけですので、早めに覚えてしまいましょう。
- 貸倒引当金の仕訳
貸倒引当金繰入100 貸倒引当金100(資産のマイナス) - 減価償却の仕訳
減価償却費100 減価償却累計額100(資産のマイナス)
【簿記3級】仕訳のコツ:まとめ
この記事では、簿記3級で学習する仕訳のコツを5つご紹介しました。
- ホームポジションを覚える
- 勘定科目を覚える
- わかるところから埋める
- 基本の型を反復練習する
- 資産のマイナスを覚える
仕訳は、簿記3級の試験でも45点分配点が振られているとても重要な論点で、問題数も15問出題されます。
そのため、1つ当たりの仕訳をどれだけ正確かつスピーディーにこなせるがとても重要です。
「これから簿記の勉強を始める」「仕訳が苦手だ」という方は、まずは今回お伝えした5つのコツを上から順番に勉強して、慣れてきたらスピードと正確性にこだわって仕訳の練習をしてみてくださいね。
キノ
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