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【建設業経理士2級】第35回(過去問)を解いて感じたこと【レビュー】

 

この記事では、第35回、建設業経理士2級の試験を解いて感じたことを率直に書いていきます!

まずは、第35回の建設業経理士2級試験を受験された方、お疲れ様でした!!!

キノ

ちなみにですが、筆者は過去問をダウンロードして解きました。

一般社団法人建設業振興基金建設業経理検定様のホームページから問題と解答用紙をダウンロードして、ネットスクール様の解答速報を見て点数をつけています。

キノ

前回の第34回試験以降、建設業経理士2級の試験勉強は全く触れておらず、久しぶりに解きました。

この記事では、第35回の感想と、自分なりの問題の解き方なども簡単に書いていきます。

何か参考になる部分もあると思いますので、最後までご覧ください。

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建設業経理士2級:第35回を解いた個人的な難易度!

 

建設業経理士2級35回を解いてみた感想なのですが、今回の試験、今まで第20〜34回まで解いてきた中で、間違いなく一番難しかったです。

第1問の仕訳(2)の段階で、ちょっと嫌な予感がしまいた。

 

「建設業経理士2級で繰延資産の問題なんて出るの??」

「日商簿記なら1級の問題だよ・・・」

 

ってな感じで、今回のかかった時間とネットスクールさんの配点を基準に採点しました。

データ
  • 得点:65点
  • かかった時間:1時間29分
    ※見直し無し

ということで、不合格となりました・・・

言い訳なのですが、第34回の過去問を解いて以降、全く建設業経理士2級の勉強をしていなかったので、第4問の工事原価明細表を全て間違えるという快挙を成し遂げました。

キノ

2〜3問正解できていれば70点届いたのに・・・

とはいえ、第4問の費目別の細かく項目が分かれていて全問正解するのは困難だったと思います。

次の章から、筆者が間違えた問題や、これ難しいよね、という問題を中心に解説を交えて書いていきたいと思います。

第1問:仕訳

第1問の仕訳については、比較的簡単だったと思います。

今回は第2問〜5問が難しかったので、仕訳で4問は正解しないと合格は厳しいかもしれません・・・

考え方や、筆者流の解き方をメインに書いていきます。

ネットスクールの建設業経理士2級の通信講座がありますので、次の試験を受講することを考えている方は、受講を考えてみても良いかもしれません。

ネットスクール

(1):配当金の仕訳

配当金に係る仕訳でした。

配当金を繰越利益剰余金から300万円支払うと決めたと言っています。

まず、簡単な繰越利益剰余金を借方に書いてしまいましょう。

繰越利益剰余金空白

金額は、積立金の分を加える必要があるため、まだ空白にしておきます。

次に未払配当金を貸方に書きます。

キノ

「未払」と書いてあるので、未払配当金は負債です。

金額は300万円ですので、これはパッパと書いてしまいましょう。

繰越利益剰余金未払配当金300万

次に、積立金額ですが、積み立てのルールとして、「資本金の1/4ー(資本準備金+利益準備金)」か「配当金の1/10」のどちらか小さい金額を積み立てます。

今回の場合は、「配当金の1/10」が小さい金額でしたので30万円を積み立てます。

キノ

個人的には、(資本準備金+利益準備金)が覚えにくいかなと思っているのですが、良い覚え方があったら教えてください。

差額が繰越利益剰余金の金額です。

繰越利益剰余金330万未払配当金300万
利益準備金30万

日商簿記勢の方は、

 

「別途積立金がないだと・・・」

 

と思ったかもしれませんが、勘定科目の選択肢の中に「利益準備金」しかなかったので、利益準備金30万を貸方に書きます。

(2):社債の仕訳

仕訳の問題の中で、個人的にこれが一番難しかったと思います。

筆者が日商簿記2級の試験を受験した時は、貸借にある勘定科目は相殺しないと×になるという認識だったのですが、この問題に関しては相殺してはダメみたいです。

理由は、小切手手帳と当座預金が合わなくなるからとのことですが、個人的には納得いかないな〜と言った感じです。

小切手手帳まで考慮せよと問題文には書かれていないですし、仕訳を示しさないとしか書かれていません・・・

キノ

まあ、小切手手帳まで考慮せよと書かれていても、実務経験がないのでそんなところまで気は回らないのですが・・・

問題文に、償還期限とか利率とか、利息の支払いは年2回とか書かれていますが、あくまでも社債の発行時の仕訳を聞かれているので、全部トラップです。

社債を発行している側なので、勘定科目は社債を使います。

MEMO

建設業経理士2級ではテキストをみても書いていない気がしていますが、社債は基本満期まで保有する目的で購入するため、満期保有目的債券に区分されます。

よって、購入側は投資有価証券勘定で仕訳をします。

社債2,000万に対して100円につき98.5円(98.5%)で発行ということは、2000万×98.5%=19,700,000円の社債を発行してお金が当座預金に振り込まれたということです。

社債発行費は繰延資産で、ホームポジションは借方です。

社債発行費は小切手で支払ったと書いてあるので、貸方は当座預金です。

当座預金19,700,000社債19,700,000
社債発行費150,000当座預金150,000

キノ

筆者は、当座預金を相殺したので不正解みたいです。

(3):機械装置の売却の仕訳

これは、減価償却を直接法で行なっていることに気づけば簡単だっと思います。

問題文には間接法とか直接法とか書いていないので意地悪だなと思いましたが、勘定科目の選択肢の中に減価償却費累計額が無いので、直接法で会計処理していると判断します。

問題文には、前々期に取得(500万)したとあるので2回減価償却を行なっており、対応年数が5年で累計額は200万円分です。(減価償却費は1年で100万円)

よって、機械装置の現在価値は300万円であり、350万円で売れたのだから、50万円の固定資産売却益がでます。

現金350万機械装置300万
固定資産売却益50万

(4):賞与の仕訳

この問題が一番簡単だったかなと思います。

前期に賞与引当金を100万円計上しています。

賞与引当金は「負債性」の引当金ですので、通常は貸方に計上されてます。

<前期の仕訳>

賞与引当金繰入100万円賞与引当金100万円

それを取り崩すので、今回は借方に賞与引当金を先に書きます。

賞与引当金100万空欄

今回は、100万円を積み立てていましたが、実際には賞与110万円を当座預金から支払っていますので、当座預金110万円を貸方に書きます。

賞与引当金100万当座預金110万円

差額が賞与10万円です。

賞与引当金100万当座預金110万円
賞与10万円

(5):材料費の仕訳

この問題は建設業特有の問題ですよね。

正直、

 

「すくい出し方式ってなんだっけ?」

 

って感じでしたが、単純に、

 

「材料を材料費として計上していたけど、結局使わなかったので材料勘定に戻した。」

 

という理解でいいのかな?と思ったので、

借方に材料貯蔵品18万と書きました。

では、貸方は何が入るのか?

と数分悩んだのですが、建設業経理士2級の試験で何か勘定科目で迷ったら、未成工事支出金だ!

というイメージがあったので、未成工事支出金18万を貸方にしました。

工業簿記で考えると、未成工事支出金=仕掛品です。

材料は材料費として仕掛品勘定に振り替えるので、当然工事会計でも、材料を材料費として未成工事支出金勘定に振り替えます。

久しぶりだったので、この考えがすぐに思い浮かびませんでした。

材料貯蔵品18万未成工事支出金18万

第2問:パズル問題

第2問は結構難しかったと思います。

だいたいいつも満点をとれるところなのですが、1問間違えました。

(1):完成工事高の計算

この問題、34回にも似たような問題が出ていた気がしましたが、前回よりも難しいと感じました。

日商簿記1級の練習問題でも工事期間は3年くらいで出題されるのですが、今回は7年と長いです。

解いていて不安になりました。

キノ

しかも、前々期とかいてあり、まどろっこしいのが嫌でした・・・

問題文を読みにくくして、難易度を上げる系の人が問題を作っているのかな・・・?

<総工事原価>

問題文には、前期に200万円を総工事原価見積額に反映させている。とあるのですが、この書き方が個人的にわかりにくく最初悩みました。

総工事原価見積額は40,500,000と書いてあるのですが、おそらくこれは工事を引き受けた際の原価の見積もりだと思ったので、前期の段階で見積工事原価が40,500,000+200万=42,500,000になったのだと理解しました。

 

<請負金額>

請負金額も同様で、当期において500万増えたと書いてあるので、5000万+500万で5,500万に変わっています。

 

<完成工事高の計算>

ここでも悩んだのですが、前期までの工事原価発生額が850万と書いてあり、前回で工事原価見積額が変更になっているので、単純に2年分計算しても良いのか迷いました。

本来であれば、1回目の計算は、「1回目の工事原価(1年分)/総工事原価見積額40,500,000×請負金額5000万」で完成工事高を計算します。

2回目の計算で、「工事原価(2年分850万)/総工事原価見積額42,500,000×請負金額5000万ー1回目の完成工事高」で完成工事高を計算します。

なので、工事原価が変更になる分、完成工事高がズレてしまいそうな気がしました。

 

結論としては、前々回の工事原価の金額がわからないので、そのまま計算するしかなくてやってみたら正解だったみたいです。

また、当期において請負金額が変更になっているので注意する必要があります。

計算をするとこんな感じです。

<前期の完成工事高>

850万/42,500,000=20%

(42,500,000=前期の工事原価見積額反映済み)

(850万=前々期+前期の発生工事原価)

完成工事高:請負金額5000万×20%=1000万円

<当期の完成工事高>

16,150,000/42,500,000=38%

(16,150,000=前々期+前期:850万+当期:765万)

完成工事高:請負金額5500万×38%ー1000万=1090万円

(5500万=工事請負時5000万+当期追加分500万)

となり、1,090万円が答えです。

(2):前払利息の計算

この手の問題は、建設業経理士2級で結構出題されるかなと思うのですが、正直これできる意味ある?

と毎回思ってしまいます。

今回も間違えてしまいました・・・というより解いてません。捨てました。

得意な方はもちろん解いて欲しいのですが、苦手な方は捨てて良いと思います。

その分、他の問題の見直しに使いましょう。

(3):株式の売却の計算

5,000株を@300円で購入し、付随費用13,000を支払ったとありますので、取得原価は@300×5,000+13,000=1,513,000です。

1,513,000を5,000で割ると、@302.6となります。

当期において2,000株を@420で売ったと書いてあり、手数料6,000円を支払っています。

この取引に関する損益とのことなので、(@420ー@302.6)×2,000ー6,000=228,800が答えです。

キノ

この問題は付随費用の取扱い方を知らないとできないかもしれませんので、この機会に覚えておきましょう!

(4):総合償却の計算

総合償却の問題が出題されました。

建設業経理士2級では頻繁に出題される問題だと思います。

総合償却で加重平均法でとのことだったので、機械A〜Cの1年単位の減価償却費を計算して全て足していきます。

<ステップ1>

機械A〜Cの1年単位の減価償却費を計算します。

1年の減価償却費
  • A:630万(耐用年数7):90万
  • B:380万(耐用年数5):76万
  • C:150万(耐用年数3):50万
  • 減価償却費の合計216万

<ステップ2>

機械A〜Cの取得原価の合計を出します。=1,160万(630+380+150)

<ステップ3>

ステップ1と2で年数を計算します。

1,160万/216万=5.37・・・

小数点以下は切り捨てなので、答えは5年です。

よく出題されているので、この問題の解き方は覚えておく必要があるかなと思います。

第3問:予定配賦

第3問は予定配賦の問題でした。

この問題は簡単だったので、今回の試験に合格しようと思うと、全問正解できる必要があると思います。

問1:予定配賦率

予定配賦率を計算しなさいとのことでした。

予定配賦率は、①監督者甲・乙の1年の合計給料/②予定作業時間で計算できます。

①甲865万、乙675.5万=15,225,000円

②3,500h

15,225,000円/3,500h=@4,350が答えです。

問2:No.351への予定配賦額

No.351が93時間とのことだったので、@4,350×93=404,550が答えです。

注意

簡単ですが、予定配賦率を間違えるとこの問題は全て間違えてしまうので、注意が必要です。

問3:配賦差異計算

配賦差異の計算と、借方の場合はA、貸方の場合はBを選ぶという問題でした。

実際にかかった給料が1,268,000円です。

予定配賦をすると、@4,350×292h(内訳=No.350:75h、351:93h、その他工事:124h)=1,270,299円

予定1,270,299円ー実際1,268,000円=+2,200円

予定していた金額よりも、実際にかかった金額の方が少ないです。

会社目線で考えると、2,200円費用が少なかった=嬉しい差異

ということなので、貸方差異です。

よって、Bが正解です。

第4問:工事原価明細表(1)

この問題はまさかの全問落とすという失態をしました。

この問題は、しっかりと建設業経理士2級の勉強をしている人でないと解けないな・・・と感じました。

キノ

半年近く建設業経理士2級の勉強をしていなかった筆者には、この問題の難易度が高すぎました・・・

費目別のボックスを作り、未成工事支出金のボックスを作ります。

費目別のボックスを埋めて、最後に未成工事支出金のボックスを埋めていく流れで問題を解いていきます。

材料、賃金、外注費、経費でそれぞれボックスの作り方が異なりますので注意が必要です。

この問題は、文章ベースで書いていくとかなり長くなってしまうので、考え方だけ書いていきます。

材料費

材料費で難しかったのは割引の項目だと思います。

筆者も間違えました。

総仕入高から純仕入高を出す際に、戻し、割引、値引がある場合、割引は計算に入れてはいけないことは勉強したことがありました。

純仕入高の出し方

純仕入高=総仕入高ー戻しー値引

結構前に勉強した内容だったのと、割引、値引とか同じような言葉が並ぶので、この辺り毎回忘れてしまいます。

キノ

割引くらい覚えておけよ・・・って話ではあるのですが忘れるから仕方ありません。

なので、材料ボックスの左下に入る金額は813,000円で、未成工事支出金の金額は806,000円(工事原価明細表の当月発生工事原価)です。

当月完成工事原価の材料費は、未成工事支出金のボックスで計算します。

労務費

労務費については、かなり難しいと感じました。

まず、(経費のうち人件費)ってなんだよ・・・

って思いました。

経費のうち人件費は、賃金以外の労務費の科目を表しているみたいです。

キノ

労務費ボックスの中に法定福利費、従業員給料手当を含めて計算してしまいました。

経費のうち人件費と書いてありますが、工業簿記では法定福利費は間接労務費なので経費ではありません。

このあたりの違いがあるのでしっかりと勉強する必要があると感じました。

賃金のボックスは、材料ボックスと書き方が異なりますので注意が必要です。

「経費のうち人件費」ですが、建設業の場合、福利厚生費も労務費みたいです。

外注費

外注費も賃金同様のボックスの書き方をします。

賃金とほぼ一緒で、賃金以外の項目が無い分、外注費の方が簡単です。

経費

経費についてですが、未払の経費がある項目については注意が必要です。

資料(3)の工事未払金の項目に、事務用品費がありますので、経費の中でも事務用品費だけは賃金や外注費と同じボックスの書き方をします。

また、資料(4)前払費用(資産)に保険料と地代家賃の科目が入っているので、この2つは材料費などと同じボックスを使って計算します。

残りの、動力用水光熱費、通信交通費は当期発生分だけなので、そのまま当月発生工事原価に入れます。

経費の項目はかなり難しいですよね。

これは試験落としにかかってる問題だと思います。

第4問:理論問題(2)

第4問:工事原価明細表(1)とは打って変わって、理論問題はとても簡単でした。

今回はかなり難しい回だったので、ここの理論問題は全問正解したいところです。

(1):総合原価計算

「量産している」、「一定期間に発生した原価を生産量で割って製品の単価を計算する」とあります。

要するに、製品を量産しているので、1つ1つの製品に製造指図書を発行して管理するのが難しい場合に行う原価計算方法を聞かれています。

工事会計の場合は、1つの工事ごとに原価を集計しています。

これは、1つの工事って何ヶ月〜数年単位で行う大きな規模なので、1案件ごとに原価を集計しないと正確に原価計算ができないからです。

しかし、ポッキーのように、一箱に何本も入っていて、かつ、何万箱も商品を作成する場合、1つの箱ごとに製造指図書を発行して管理するのは難しいですよね。

そんな時に使用する原価計算が総合原価計算です。

建設業経理士2級の試験範囲に総合原価計算は入っていないので、工業簿記を勉強したことがない人にはイメージがつきにくいかもしれませんが、覚えておいて損はありません。

(2):個別原価計算

「1つの生産指図書に指示された生産活動について消費された原価を集計して計算する方法」と書いてあります。

まさに、建設業経理士2級のメイン論点である個別原価計算です。

(3):形態別原価計算

材料費、労務費、外注費、経費に区分してと書いてあります。

残りの選択肢の中で、該当するのは形態別原価計算です。

これは、原価の分類における、形態別分類のことを言っていると思います。

(4):事前原価計算

事前原価計算という言葉は初めて聞きました。

 

「なんだこれは?」

 

という感じではありましたが、1〜3が明確に答えが分かりましたので、残りがこれに当たります。

一応問題文を読んでみると、受注活動、見積原価などそれっぽい単語が書いてあったので間違いありません。

第5問:精算表

精算表ですが、終盤で疲れていたのかミスが多く失点してしまいました。

あと、見直しをしなかったのも良くありませんでした。

 

「本番じゃないしいいか!」

 

くらいの感じで取り組んだのが良くなかったと思います。

あと精算表についてですが、「法人税」「完成工事原価」「未成工事支出金」は、全問正解しないと正しい金額が出ないです。

なので、ここに時間を使うのであれば、他の問題の見直しをする方が個人的に良いと思います。

(1):当座預金

当座預金と銀行勘定の不一致を正す問題です。

①事務用品購入のための小切手2,300円の未渡し

という問題でした。

未渡しということは、実際の当座預金の金額が変わっていないのに、帳簿上の金額が変わってしまっているということなので、帳簿上の金額を修正します。

さらに、事務用品を購入したのにも関わらずまだ支払いをしていない状態です。

元々小切手で支払うと約束しているため、ここでは「未払金」を使って処理します。

よって、下記の仕訳が正解です。

未払金2,300当座2,300

 

②完成済みの工事代金12,000円が振り込まれたが未記帳であった。

とのことなので、帳簿上の当座預金に12,000をプラスします。

工事が完成していたのに、報酬を受け取っていない状態だったので、完成工事未収入金をマイナスします。

よって、

当座預金12,000完成工事未収入金12,000

が答えです。

(2):材料貯蔵品の棚卸し

材料貯蔵品の棚卸減耗損が500円あるとのことで、材料貯蔵品勘定から500円引きます。

日商簿記を勉強したことがある方なら、棚卸減耗損勘定に書きたいところですが、精算表の中に棚卸減耗損勘定がありません。

なので、建設業経理士2級では未成工事支出金に書きます。

よって、

材料貯蔵品500材料貯蔵品500

が正解です。

(3):仮払金の処理

①4,000円は出張時の仮払金で、300円現金にて返金された。

という問題です。

まずは、仮払金4,000を消します。

仮払金4,000

次に、分かりやすい現金300を書きます。

現金300仮払金4,000

最後に、旅費交通費を書くと迷わずに仕訳ができると思います。

現金300仮払金4,000
旅費交通費3,700

 

②28,000円は法人税の中間納付額です。

と書いてあります。

正直法人税は全問正解しないと出てこない金額なのでスルーしてしまって大丈夫だと思います。

本来であれば、仮払法人税勘定に28,000と書きたいところなのですが、精算表をみると仮払法人税勘定がありません。

なので、法人税、住民税及び事業税勘定で帳尻合わせをするのかなと思います。

(4):固定資産の減価償却

固定資産の減価償却の問題ですが、しっかりと問題文を読まずに解いたら見事に爆砕しました。

①機械装置:生産高比例法

建設業経理士2級では珍しい気がする生産高比例法の問題です。

基礎情報:取得原価60万円、耐用年数5年、残存価額0、見積総使用量30,000単位、実際の使用量6,150単位

毎月500単位を未成工事支出金に予定計上しているとあります。

生産高比例法は、使用した分だけ減価償却していきますので、この問題に関しては、耐用年数は使いません。ダミー情報です。

MEMO

生産高比例法は、60万の機械装置を30,000単位使用したら帳簿上の機械装置の金額が0になるという償却方法です。残存価額がある場合もあるので注意が必要です。

今回は、500単位×12年=6,000単位分を未成工事支出金に予定計上していると書いてあり、実際の使用量6,150単位です。

キノ

筆者は、毎月500単位のところの「毎月」を見逃し、1年で500単位分を予定計上していると勘違いしてしまいました・・・

しっかり問題文を読め!って感じです。

取得原価60万円/見積総使用量30,000単位=@20円/単位

と計算できます。

今回は6,000単位分を予定計上していますが、実際の使用量6,150単位なので、150単位分追加で減価償却費を計上する必要があります。

よって、@20×150単位=3,000円を未成工事支出金と機械装置減価償却累計額にプラスします。

MEMO

未成工事支出金に計上するため、減価償却費という勘定に計上するわけではないので注意が必要です。

 

②備品

基礎情報:取得原価12万円、耐用年数4年、残存価額0、定額法

これだけみると簡単なのですが、「なお、このうち2万円は当期10月1日に取得したもの」と書いてあります。

筆者は、この情報を完全に見逃しており、

 

「なんだ、超簡単じゃん」

 

と、余裕をかましていたら間違えました。

 

12万のうち2万円は別の備品ですので、1つずつ償却をする必要があります。

10万円:10万/4=25,000円

2万円:2万/4×6/12(半年分)=2,500円

あとは、備品減価償却累計額にもプラスします。

備品の方は、本社用と記載があるので、工事に使用するわけではありません。

よって、精算表の下の方にある備品減価償却費勘定に記入します。

(5):仮受金

①9,000円は前期に完成した工事の未収代金回収分

と書いてあります。

仮受金を消して、未収代金=完成工事未収入金をプラスします。

キノ

そもそもなぜ、仮受金に計上したのでしょうか?振り込まれた時にわからなかったから?
仮受金9,000完成工事未収入金9,000

 

②10,000円は、当期の工事契約の前受金である。該当工事は当期に完成し、引き渡しているが、未処理となっている。

とあります。

完成工事高に入れるのか未成工事支出金に入れるのかで問題になっているみたいです。

筆者的な考えでは、「工事契約による前受金」ということは、未成工事受入金のことのはずです。

よって、完成工事高に10,000円を計上する仕訳が正しいと思いました。

順番に仕訳をしていくと下記のように考えられます。

<仮受金に計上しなかった場合の仕訳>

現金預金10,000未成工事受入金10,000

<引き渡して売上(完成工事高)とした場合の仕訳>

未成工事受入金10,000売上(完成工事高)xx
現金預金xx(不足分)

今回の場合は仮受金にしてしまっているので、少し遠回りして考える必要があります。

<仮受金計上時の仕訳>

現金預金10,000仮受金10,000

<仮受金の振替仕訳>

「工事契約による前受金」と判明したので、正しい仕訳を行います。

仮受金10,000未成工事受入金10,000

<引き渡して売上(完成工事高)とした場合の仕訳>

未成工事受入金10,000売上(完成工事高)xx
現金預金xx(不足分)

となるかなと思いますので、未成工事支出金ではなく、完成工事高に振り替える必要があるかなと思いました。

ただ、工事が完成までしている段階で、いまだに仮受金に計上したままになっている意味がわからないというのが個人的な感覚です。

 

とは言ったものの・・・

筆者が実際に問題を解いていた時は、仮受金の項目で「未処理」と書いてあったので、単純に

仮受金10,000未成工事受入金10,000

の仕訳で終了していました。

「該当工事は当期で完了した」と書いてありますので、未成工事支出金・完成工事高・完成工事原価にも、該当工事に関する原価や売上は反映済みだと考えました。

そこで問題になるのが、未成工事受入金の10,000円は、どのように処理されるのか問題です。

キノ

筆者の場合は、この処理がわからずに上記の仕訳で諦めたわけなのですが・・・

既に該当工事は完成しているので売上を計上しているはずなので、仮受金10,000円を完成工事高に振り替えてしまうと、過剰計上になってしまうはずです。

よって、この問題は問題文の不備だと思います。

(6):貸倒引当金

貸倒引当金は、工事会計の場合、完成工事未収入金と売掛金、受取手形などが該当します。

今回の場合は完成工事未収入金と受取手形が対象です。

キノ

筆者は、完成工事未収入金の整理記入欄の書く欄がずれており計算が合いませんでした・・・欄が小さすぎて・・・

残高試算表をみると、376,000円で、(1)②の未記帳12,000と、(5)①の前期に完成した工事の未収回収分があります。

受取手形が25,000円ですので、全て集計して1.2をかけると4,560円です。

差額補充法ですので、残高試算表に書いてある金額4,200円との差額で貸倒引当金繰入は360円となります。

(7):完成工事補償引当金

完成工事補償引当金は0.2%をかけるだけなのですが、(5)の仮受金を完成工事高に振分ける場合は金額が変わります。

ネットスクールさんの回答をみると2パターンありましたので、どちらが正解なのか分かりませんが、筆者的には仮受金は完成工事高かなと思っているので、その金額を書いておきます。

残高試算表の完成工事高に10,000円プラスします。

よって、23,580,000円+10,000×0.2%=47,180が完成工事補償引当金で、差額補充法なので、

46,500ー47,180=680円が繰入額です。

未成工事支出金680完成工事補償引当金680

(8):退職給付引当金

退職給付引当金の繰入額ですが、建設業経理士試験の場合、工事の作業員分は未成工事支出金で計算をします。

それ以外の社員分は、退職給付引当金繰入に計上をします。

今回の場合、事務員が2,800円、作業員が7,600円なので

未成工事支出金7,600退職給付引当金10,400
退職給付引当金繰入2,800

となります。

(9):販売費及び一般管理費

保険料12,000円分を1年分支払っていて、3ヶ月分は未経過と書いてあるので、

12,000円×3/12=3,000が前払費用となります。

経過勘定が苦手という方は、下記の記事で最近知った経過勘定の攻略法を書いてあるので参考にしてみてください。

(10):未成工事支出金の完成工事原価への振替

資料(9)までで未成工事支出金の処理が全て終わっている状態です。

資料を見ると、次期繰越額は126,000円と書いてあるので、

精算表の貸借対照表の欄に126,000円を書き写します。

残高試算表と整理記入欄の欄を、貸借対照表の126,000円と同じになるように差額を計算して、完成工事原価に振替ます。

今回の問題の場合、(5)仮受金10,000円の金額次第ではありますが、完成工事高に振替た場合は、72,180円を書きます。

(11):法人税の計算

最後に、法人税の計算です。

法人税は、損益計算書の金額を全て足して、収益ー費用=税引前当期純利益を計算します。

これに法人税率30%をかけて計算します。

(5)の仮受金の件で、答えが2パターン存在するみたいですので、ここでは省略しますが、法人税を出すくらいなら見直しをした方が良いです。

練習の段階では、ぜひとも法人税の計算までピッタリ合うように勉強していただきたいですが、試験本番の緊張状態で、1〜10までの問題を全部完璧に解ける人はかなり少ないと思います。

しかも、法人税を計算できても1〜3点くらいかな?といった配点だと思うので、時間をかけて法人税を出すくらいなら、他の問題の見直しをした方が有益です。

まとめ

この記事では、建設業経理士2級の第35回を解いた感想をご紹介しました。

第35回は、個人的な感想ですが今までの試験のなかで一番難しかったと思います。

第1問(仕訳)、第3問、第4問(2)は易しい問題だったので、ここで満点近くを取っておかないと合格するのは難しいのかな?といった印象でした。

キノ

半年ぶりにといたとはいえ、筆者も65点で不合格でした・・・

34回までは、合格率40%前後で2級の試験にしては合格率が高めだったと思うので、今後もこのレベルの試験になる可能性は普通にあると思います。

だんだん独学だと厳しくなっていくと思うので、36回以降の試験を受けるつもりの方は、通信講座などを活用して1発で合格する気合いで勉強に臨む方が良いのかなと思いました。

建設業経理士2級の通信講座は、個人的にはネットスクール、ユーキャンがおすすめです。

ただし、ネットスクールの場合は、受験期間がきっちりと決まっているため、1月など中途半端な時期に受講してしまうと勉強時間が間に合わずに再受講になる可能性があります。

興味のある方は、ネットスクールに直接問い合わせをしてみると良いでしょう。

下記の記事で、おすすめの通信講座をご紹介しているので参考にしてみてください。

キノ

第33回、第34回を解いた感想は下記の記事でご紹介していますのでこちらも参考にしてみてください!

また、筆者が建設業経理士2級受験時に使用していたテキストを紹介した記事も載せておくので、良かったら参考にしてみてくださいね!