全経上級の215回を受験された方、お疲れ様でした。
筆者も実際に受けにいきましたので、感想などを書いていきたいと思います。
「全経上級は日商簿記1級よりも簡単」
こんなことを言われていると思いますが、215回の全経上級
「かなり難しくなかったですか?」
日商簿記1級では出題されないような細かい論点が出ていたと思うので、このあたりも含めて感想を書いていきます。
また、今回の反省を踏まえた、今後の勉強方法も修正していきたいと思います。
前回決めて勉強方法はこちら。
〜この記事でわかること〜
試験を受けての感想!
全経上級215回を受けて、全体的な感想ですが、2つだけ言いたいです。
「難しい!」
「時間足りなすぎる!」
です。
まじで時間足りなかったです。
「ちゃんと考えれば解けるかもしれないから、後に回そう!」
って問題も、時間が足りずに手をつけることができませんでした・・・
理論問題も、
「こんなのテキストで見たことないぞ・・・」
って問題が結構あったように感じます。
とにかく時間が足りなかったし、勉強不足だし、実力不足を痛感した日になりました。
財務会計(会計)の感想
試験で一番最初に解き始めたのが財務会計(会計)だったので、こちらから感想から書いていきます。
日商簿記1級だと、商業、会計、工業、原価計算の4科目なのですが、全経上級では、213回の試験から「商業、財務会計、原価計算(工業簿記)、管理会計(原価計算)」に名称変更したそうです。
※()内が前の名称です。
問題1
問題1は、〇×問題で、×の問題は理由を記載するというものです。
全部で10問で、財務会計は問題2以降がとても難しい傾向にあるので、少しでも問題1で得点を稼ぎたいと考えていました。
過去問の直近7回くらいまでは正答率80〜90%くらいで望んだのですが、今回の問題かなり難しかったと思いました。
割と、似たような問題が出題される印象だったのですが、今回は
「初めてみた・・・」
という問題が多かった印象です。
会計基準を全部読み込んで暗記するわけにはいかないので、ある程度運も必要なのかな・・・
と思いつつ、次回の試験までに理論対策をしっかりと行なっていきたい思います。
問題2
問題2は減損会計からの出題でした。
減損会計って、だいたいの問題が「割引前将来キャッシュ・フロー」が与えられて減損する?しない?
という問題だと思います。
しかし、今回出題された問題は、自分で割引前将来キャッシュ・フローを計算しなさいという問題でした。
この問題を見た時、
「(ぱっと見で)あれ、これ会計だよね?なんで意思決定会計の問題なの?」
「今まで自分で割引前将来キャッシュ・フローを計算したことなかったな・・・」
「意思決定会計的な方法で計算するのかな?」
みたいなことを考えていました。
また、ここで1つ頭を悩ませたことがありました。それが、
「機械Aに紐づけられた借入金の利息って割引前将来キャッシュ・フローに含めるの???」
でした。
最初のうちは、利息を含めて計算したのですが、
「いや、待てよ・・・利息って営業外費用だし、与えられているキャッシュの情報って利息以外は全て営業収益・費用だよな・・・」
「割引前将来キャッシュ・フローって、機械Aが将来的にどれだけキャッシュを稼いでくれるか?営業利益を知りたいのであって、営業外の利息は含めない方が良いのか?」
「工業簿記でも利息は非原価だった気がするしな・・・」
とか考えて、利息は含めずに計算をしました。(この考え方が合っているかは不明)
財務会計の問1を解いた時点で、40分くらい使ってしまったため、問2はスキップしました。
問3は
「恣意的に減損を計上できないようにするため」
みたいなことを書きました。
(理由とかわからん・・・)
商業簿記の感想
商業簿記は、過去問を解いていると結構簡単なんですよね。
多分、商業簿記の難易度がそのまま
「日商簿記1級は難しくて、全経上級は優しい」
みたいな印象を与えているのかな?と思います。
ただし、今回の全経上級の商業簿記は普通に難しかったです。
日商簿記1級のように、パズル問題ではありませんが、細かい論点を知らないと解けないような問題もあり、問題数も多く、勉強量を試される試験だったのかなと感じました。
問題1
問題1は理論問題+特殊商品売買の仕訳問題でした。
キノ
理論問題は、勘定科目の名前を書くという問題が3問出たのですが、正確には評価勘定しかわかりませんでした。
「言いたいことはわかる。でもなんて名前だっけ?」
状態です。
なんとなく雰囲気で書いたら、2問正解できました。
※対照勘定だけ間違えました。
仕訳ですが、もしかしたら△はもらえるかな・・・程度の出来でした。
キノ
問題2
問題2はソフトウェアの仕訳(償却)でした。
ソフトウェアの償却は勉強不足で試行錯誤しながらなら解けるかもしれないけど、総合問題を解く時間がなくなると判断して、後回しにしました。
結果、総合問題を解く時間すら足りず、全く手をつけずに終わりました。
問題3
問題3は総合問題で閉鎖残高と損益のいつもの問題でした。
全部書くと長くなるので、個人的にできなかった問題に絞り書いてみます。
✔︎2:有価証券
①売買目的有価証券
期末の時価(3,000)を帳簿に書くだけなので簡単なのですが、期首の情報載ってない?前T/Bには期末の時価と同じく3,000と書いてありました。
「どういうことだ??評価損益はどうやって計算する?」
と悩んだ挙句、期首と期末の時価が一緒なのか!
と理解できました。
②その他有価証券
簡単でしたので、スキップ
③外貨建満期保有目的債権
外貨建ての満期保有目的債券って難しいイメージしかありません。
何度も書いて恐縮ですが、この時点で残り20分弱くらいしか時間がなく、スキップしました。
④関連会社株式
これはできそう!
って思い問題を読んだのですが、減損するかしないかかなり悩みました。
「土地の含み益100円を再計算するのか?」
みたいな匂わせの文章があったのですが、土地100円を含めても含めなくても50%を切らない計算だったので、減損処理をせずに前T/B の金額をそのまま記入しました。
✔︎4:固定資産について
①減損
こちらの問題でも減損の問題が出題されました。
キノ
今後のために減損会計の勉強強化します!
②リース
リースの問題ですが、この時には時間が足りないと慌てていて冷静に問題を解くことができなくなっていました。
所有権移転ファイナンスリースで、年90円の支払いをしていて期間が9年、利息は5%との情報でした。
前T/Bのリース資産を見ると640円
割引計算をすると、90÷1.05=========639.70・・・・
で640とわかるのですが、
試験中は、なんで640になるのかが判断できず、メモが残っていなくてわかりませんが、全く検討はずれな答えを書いてしまっていると思います。
✔︎7:ストック・オプション
ストック・オプションは時間切れで解くことができませんでした。
ストック・オプションの解き方は理解できていて、確実な点数源だったのにも関わらずタイムオーバー・・・
次回からは時間配分をもっとしっかり考えなければいけないと感じました。
原価計算(工業簿記)の感想
原価計算については、そこそこできたのではないかと思います。
ただ、練習量が全く足りていないため簡単な問題でも解くのに時間がかかってしまいました。
特に、文章の読み取りが苦手だなと感じたので、普段から読書の習慣を身につけたいなと思いました。
問題1
特に気になった問だけ記載していきます。
✔︎問1
原価標準内のAの金額はいくらか?
という問題ですが、日商簿記2級レベルの問題でした。
しかし、第2工程で第1工程の完成品を”2個”使うという文章を見逃しており、最初計算ミスをしていました。
途中で気づいたのでどうにか修正することができました。
✔︎問3〜5
問題自体は簡単だったと思いますが、材料を3つも差異計算するとなると、計算式を書くだけで時間がかかりました。
下書き用紙を見る限り、解答と同じ数字っぽいので多分できたと思います。
✔︎問6
標準原価差異の会計処理方法について説明せよという問題でした。
試験直前にこの論点に目を通していて、なんとなく内容を把握していました。
ただ、時間も迫ってきていたのと、細かいところまで把握していなかったため、部分点くれるかな?くらいの感じで
「正常の原価差異は原則売上原価に含める」
みたいなことを書いておきました。
キノ
問題2
工場と本社の仕訳問題が出題されました。
仕訳は2級の問題だと思いましたが、しばらく触れていなかったので忘れていました・・・
✔︎問1
①と②は合っていました。
③④は本社売上、本社売上原価を単純に本社と書いているので、おそらく×です。
✔︎問4
工場を会計上独立させる理由を問われました。
テキストに載っているような気がしましたが、わからなかったので、
「独立させた方が計算しやすいから」
みたいなことを書きました。
✔︎問5
工場から本社への振替価格に内部的な利益を付加する理由を問われました。
問を見た時に、
「事業部制の論点みたいな話かな?」
という印象がありました。
ということは、本社と工場を事業部と考えて、
「責任会計で、事業部として評価しやすいから」
みたいなことを書きました。
管理会計(原価計算)の感想
管理会計は予算編成の問題で、市場総需要量差異、場占拠率差異などが出題されました。
問題1
管理会計は一部やらかしている部分があり、問題文しっかり読まないとダメだなと・・・反省です。
✔︎問1
単位当たりの予算貢献利益を求められました。
簿記2級レベルの問題だと思います。
これできなきゃだめだよね。って問題なのです。
しかし、盛大にやらかしました。
単位当たりと書いてあるのに、数量かけた金額を書いたかもしれません。
これは落ちる・・・
✔︎問2&3
製品別の差異分析を問われました。
ここは普通にできていたと思います。
✔︎問4&5
市場総需要量差異、場占拠率差異を問われました。
解き方があやふやで、
「時間をかければ解けるかも!?」
と思って後回しにしました。
結論から言うと、タイムオーバーで見直しすらできず、全く手をつけずに終わりました。
✔︎問6&7
製品別に貢献利益に関する予算・実績差異をしなさいという問題でした。
ここはしっかりとできていたと思います。
✔︎問8
予算による統制をプロセスに従って3つに分類した場合の名称を問われました。
「テキストに載っているやつかな?」
と思ったので、予算統制・予算管理・予算編成と書きましたが、全く違いました。
テキストを検索してみましたが1件もヒットしなかったので、できた人は少ないのではないかと思いました。
問題2
意思決定会計の問題でした。
この段階でほとんど時間が残っておらずほとんどできませんでした。
キノ
また、意思決定会計結構苦手意識が強く今後の課題だなと思いました。
✔︎問1
加重平均資本コストを問われました。
この時点で戦意喪失していました。
「加重平均で計算するのか・・・加重平均出せないと全滅か?」
「しかも加重平均苦手だし・・・」
って感じです。
辞書とかで加重平均って調べても意味がわからないんですよね。
難しい。
10.5%と書いたのですが、正解は9だったみたいです。
✔︎問4
割引前将来キャッシュ・フローの増減額を問われました。
メモを見ると13,000,000と書いてあったのですが、正解は14,000,000だったみたいで間違えてしまいました。
以降の問題はタイムアップでできませんでした。
【全経上級215回】試験を受けての反省と今後の勉強方法
215回の試験を受けての感想ですが、改めて、
「勉強不足」
が浮き彫りとなった試験だと思いました。
理解できていない&忘れてしまっている論点が多いのと、問題を解くスピードが全く足りていません。
「早く問題が解けるような勉強」
をしていく必要があると痛感しました。
今回の反省点を踏まえて、まだ確定ではありませんが、直近2ヶ月の勉強方法は下記のように考えています。
- 商業の過去問を解く
- 間違えた論点は問題集を使って復習をする
- 問題集を解いた論点のテキストを読む
- 該当論点の理論問題を何問か解く
- 財務会計の過去問を解く
- 該当論点の会計基準や参考書を読む
- 問題集を使って計算問題を解く
キノ
原価計算・管理会計は勉強不足が特にひどいと感じているので、まずは基本問題を叩き込みたいと思います。
キノ
まとめ
かなり長い記事になってしまいましたが、全経上級215回を受験した感想と、今後の勉強方法の修正をしたのでご紹介の記事を書いてみました。
改めてですが、受験された皆様お疲れ様でした。
もし、今回の試験で
「うまくいかなかったな・・・」
という方も、次の試験に向けて一緒に勉強に励んでいきましょう!
がむしゃらに勉強してもなかなか成果は出ないと思います。
効率的な勉強方法を試しながら見つけて記事にしていきますので、今後も読んでいただけると幸いです。
とりあえずですが、今回の試験の反省を踏まえて、
・基本的な論点は完璧にする
・解答時間の時短化を目指す
・理論対策で根本理解を目指す
上記の3つに注目した勉強を心がけていきたいと思います。